【沖縄県産品】島の基幹作物サトウキビ
画像提供:©OCVB
概要
産地:沖縄全島全域
旬:12月~3月
保存方法:サトウキビも黒糖も風通しのよいところに常温で保存。
目次
1.沖縄の中心的な産業
サトウキビと言えば、沖縄の原風景をイメージします。沖縄の方言で「ウージ畑」とも言われ、沿道に続くサトウキビ畑は、沖縄ののどかな風景として認知され、サトウキビにまつわる歌や映画も多く存在します。
日本に初めてサトウキビが渡来したのは、奈良時代に中国から僧侶の鑑真が中国からもたらしたとされ、もともとは“薬”として使うことが目的だったそうです。
サトウキビはイネ科サトウキビ属の植物で、日本で栽培されているサトウキビの収穫量の57%が沖縄県。沖縄農業における基幹的作物です。県内の全農家の約7割が栽培し、作付け延べ面積の約5割を占めます。パイナップルやマンゴーもサトウキビの栽培面積はかないません。
2.サトウキビの収穫
サトウキビは水不足にも比較的強く、温暖な気候で太陽の光をたくさん浴びると良く育ちます。自生しているサトウキビは、成長すると全長5~6メートルほどの高さに育ちます。ちょうど甘さや水分量の最適な2~3メートルの時期に収穫し、砂糖の原料となるのです。
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サトウキビの植付けは「春植え」「夏植え」「株出し」の3種類あり、甘みが増す冬場の1月から3月頃が収穫の最盛期となります。この時期になると、収穫したサトウキビをこれでもかと満載した大型トラックが製糖工場へ向かうため走っています。道路にサトウキビが落ちているのを見かけると、毎年この時期が来たのかと思うのは、県民あるあるかもしれません。
3.県を代表する特産品「黒糖」
サーターアンダギーやタンナファクルーなど琉球伝統菓子に欠かせないのが、黒糖です。黒糖は、サトウキビのクキの部分をしぼり、その汁を煮詰めてつくったもの。第二尚氏王統琉球王国の士族・儀間真常が中国(当時は清)に遣いを送り、砂糖の製造方法を学ばせたのがはじまりとされ、薩摩への年貢に苦しんでいた当時の琉球を救おうとしたことがきっかけで沖縄に製糖が広まっていったと言われています。
白砂糖には栄養成分がほとんどないのですが、黒糖にはカルシウムなどのカリウムなどのミネラルと、ビタミンB1、B2などが豊富に含まれているので、健康食品としても注目されています。貧血防止の鉄分、骨や歯を作るカルシウムといった体に必要不可欠な成分も含まれているため、日頃使っている砂糖を黒糖に変えてみるのもおすすめです。
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沖縄の生活を支えてきたサトウキビ。サトウキビの搾った後の残渣を、畑の肥料として活用したり、バカスを農業の堆肥として用いてきました。近年では、衣料品に再利用するなどサスティナブルな取り組みも広がっています。
また黒糖づくりは、地域で世代を超えて受け継がれてきた産業です。2023年は、沖縄に製糖技術が伝わって400年の節目とされています。今後も、黒糖を使った商品・楽しみ方のバリエーションが増え、サトウキビがもたらす新しい価値や可能性が高まっています。
4.サトウキビが生んだ黒糖を使った商品
サトウキビが生んだ黒糖を使った料理や、お菓子やお酒といった様々な加工品も誕生しています。ちゅらマルシェで販売している黒糖を使った商品をご紹介します。
■サトウキビ100%果汁の「イエラムサンタマリア」
「イエラムサンタマリア」は、伊江島産サトウキビだけを使って「伊江島」で作られる世界で1割の希少なラム酒。伊江島蒸留所の取材記事もぜひご覧ください。
⇒伊江島物産センターの生産者ストーリー記事はこちら
■黒糖ジンジャーシロップ
大きな鍋にたっぷりの生姜とコクのある波照間島産黒糖でじっくり煮て作った濃厚な生姜シロップです。コクのある黒糖の甘さと香り、生姜の味がピリリとからむどこか懐かしいホッとする味わいです。
■完熟パインのコンフィチュール(黒糖味)
大宜味村・ノイベナ農園の無農薬黒糖と屋我地の塩のコクのある甘みが特徴。黒糖のコクのある甘み、バニラの爽やかな甘み。それぞれの甘さがプラスされていて、ジャム使いはもちろん、生姜焼きなどのお料理に加えて食べても美味しい、万能ジャムです。
美容・健康効果についての一言♪
<参考文献>「沖縄食材図鑑」楽園計画
<参考サイト>独立行政法人農畜産業振興機構、内閣府